薬害・医療被害をなくすための厚労省交渉団

アクセスカウンタ

zoom RSS 第70回厚生労働省交渉 医療事故

<<   作成日時 : 2008/07/25 11:00   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 0

「医療関連の死因究明制度」の課題とは?

【厚】今モデル事業においてどういう事が課題になっているかということですが、今のモデル事業の課題では、実施地域がまだ八地域のみで地域がかなり狭いということと、調査事例がまだ少ないと言うことです。二〇〇五年九月から始めていますが、七月九日現在で調査依頼事例は七〇。報告書を公表できたのは五七にとどまっている。実施地域については今年度中に新たに岡山と宮城で開始できる予定です。
 他にも、第三次案の大綱案で示しているように、実際に委員会ができた時には、今我々が考えている届け出対象の義務の中には医療過誤を医療機関が認めた事例についても委員会で調査することになるので、モデル事業でも明らかにミスを認めた事例についてもやっておいた方が実際にできたときに円滑な調査ができるようになるので行いたいのですが、現状では医師法二一条で医療事故を認めた場合は警察に通知して司法解剖だとか、結局警察で行われることになるのでなかなかモデル事業のしくみに乗ってこないという問題があります。 それから、遺族との関係でいくと、モデル事業において医療機関と遺族との関係が更に悪化してしまったという事例があるように聞いています。こうしたことは、モデル事業の事務局から医療機関側へのきちんとした説明はもちろんのこと、医療機関と遺族とのコミュニケーションをきちんとやっていだくことを促進していくことが大切だと思います。これに関しては、調整看護士が間に入ってやっていただくので、調整看護士に努力していただいて調整看護士の研修とかマニュアル作成を行っているので、そういったことによって遺族と医療機関との関係についても「きちんとモデル事業をやって良かった」と言ってもらえるようなしくみにしていきたいと考えています。
【交】三年間で実際やったのが七〇例というのは、単に実施地域が少ないということが理由ですか?
【厚】いや、実際にはもう少しモデル事業でやっているのではないかと。一三二件がモデル事業の事務局には相談という形ではあがっています。ただやはり解剖を前提にした調査を本番では考えていますし、モデル事業でもそういうことでやっていますので、解剖の理解を頂けなかったり、解剖の体制がとれなかったというモデル事業側の問題、あるいは遺族が望んできたが医療機関が同意しなかった。あと、ミスっぽい場合には医師法二一条の関係から医療機関から警察に行くので、警察との調整がつかないで司法解剖になってしまった。そういった理由があって、一三〇件くらいの相談が来ても実際にできたのは七〇件しかなかったという問題もあります。あと一番言われているのは、なかなかモデル事業の制度自体が知れ渡っていないということも。我々も改善点として、もう一度モデル事業があるということを病院団体に知らせてパンフなどを病院等に置いていただいてご家族にも広めていただくということをやっていきたいと思っています。
【交】たしかに実施県がもっと増えてくればもっと報告は増えると思うのだが、そのためにはいろんな体制作りがきちんとしていないと。今後法案を考えていて今はその準備段階としてやっていると思うが、よく判らないのは、第三者機関といえども地方自治体の協力を得ながらやらなければいけないわけだから、体制ができていないところに突然法律が出来てやり始めるというのは難しいでしょう。
【厚】ここは努力していくしかない。あとは、皆さん方はご不満かもしれないが、法案を提出しても準備期間を3年はおくので‥‥。
【交】件数の問題と言うよりは、モデル事業をやっている県の数の少なさが問題だ。何が理由でモデル事業をやれていない県があると考えるのか。
【厚】モデル事業をきちんとやって行くには地域の自治体の協力を得ないといけないし、一番のネックは解剖体制。この間モデル事業の年会議があったのだが、言われたのは、「法医と病理と臨床の三人体制で解剖をやっている。そうすると、法医の先生が元々いない地域があるということで解剖体制の確保の目処がどうしても立たないというのが正直なところだ。委員会ができるとやらなければいけない話なのだから、参加している法医学会と病理学会として実際にやるときはどうしても法医がいないのだから病理医が中心となって解剖するためのマニュアルを作るということを含めて考える」。今のモデル事業は法医が入ることで解剖をすることになっている。
【交】病理医だって数は多くない。法医は更に少ないわけで、そうするとそもそもこれは制度として出来るのかなと思うが。
【厚】実際問題、そこは病理学会、法医学会の全面協力がないとできない。病理学会とはなんとか協力するということで、一人あたり二・三件になるのでないかということで考えています。
【交】四七地域のうちで岡山と宮城を入れてもやっと一〇だ。かなり少ない。法律ができて実際に始めようとなっても、大学に所属していれば自分の大学のこともやらないといけないし、急に言われてすぐに行けないかもしれない。そうすると、例えば遺体の保存、冷凍庫だと一日最低一万円はかかる。
【厚】保存の可能性は考えている。冷凍すると組織が壊れてしまうので、冷蔵の方が良いのでないか。冷蔵だと二・三日くらいだと思う。
【交】遺族が申し出て病院側がそれに対してミスではなく医療事故でないと言い張っても遺族が申し出れば受け付ける形になっているのか。
【厚】現行の私どもの大綱案ではそのようになっている。そのときの調査には応じる義務が医療者の側にはあるので。
【交】すると、こういうトラブルは今後は生じないだろうと‥‥。
【厚】完全に最初から対立の時はあるでしょうが、なぜこういうふうに悪化してしまったのかをちゃんと確認していかないと。今、調整看護師が間に入って苦労しているのでノウハウを獲得すれば。
【交】職種として看護師を当てているのは不適切だと僕は思う。人間の気持ちの問題であって医学の問題でないことが多い。
【厚】ただやはり医学的知識は持っていないと対応はできないと思う。
【交】そんなことはない。それはあなたの認識不足だと思う。調整看護師というのはあくまで看護師だ。人間関係を調整する技術は持っていないし、教育を受けていない。そういう意味ではきわめて不適切だ。それとは別にそういうことを専門にやってきている人間が医療機関にいる。そういうことに着目すべきですが、後の質問に入っているのでそこは後にします。

「医療事故防止センター」の事故報告書について

【厚】医療事故情報収集等事業の報告書ですが、三ヶ月経って報告書が公表されていてホームページに掲載されている。現在第一三回まで公表になっている。この報告書の効果的な活用方法だが、国としてこういうふうに取り扱って下さいということは伝えていることではなく、それぞれの医療機関の実情とか状況によって活用方法が異なるところがあると思う。しかし、報告書の中には「共有すべき医療事故情報」という欄があって、専門家の分析班が集められた事故情報の中から特に共有すべき物をピックアップしている。そこについては厚労省として都道府県においてできるだけ周知をはかってほしいと依頼している。医療機関においてはこういう情報を自分の施設の職員の研修の材料としたり、周知・喚起を行っていると聞いている。自施設で事故報告とかヒヤリハット報告制度をもっている病院では、自病院で確認した状況と全体を比較することによって問題点はどこだとか自病院はどこが弱いとかいったふうに役立てるのが大きいと思う。
 もう一つ、共有すべき医療事故情報の中から更にピックアップして毎月一回「医療安全情報」を日本医療機能評価機構から病院にファクスを送っている。ホームページにそれは公表されていてご覧いただけます。これ(手渡す)は二〇〇八年五月のものですが、二枚の紙です。こういうものを掲示している病院があるし、これを台本に研修を企画しているところもあるということです。例えば処方箋の表記の解釈の違いによって薬剤の投与を間違えてしまったという例がある。処方箋に医師が「×3」と書いてあって、一日三回という意味ですが、それを三倍量と間違って解釈して投与したという事故がある。具体的にではないにせよこういうリスクがあるともう一度注意喚起することで改めて確認をはかるという‥‥。参考のためにお持ちしました。
【交】医療事故の情報収集を始めて何年になりますか。
【厚】平成一六年一〇月からです。
【交】情報としてはいっぱい入ってきている。いかに事故を予防できるようにするかが目的と思うが、今のところ私がホームページを見た範囲では、現状を情報として収集していることは判るが、予防と言ったときにこれも一つの方法だとは思うが、現状からどうやったら予防に結びつけられるという発信がない。「こういう状況だから皆さん考えて下さい」という情報になっている。もう一歩進めて、「実際にこういうものがかなり多いからこういうふうな対応のしかたをした方が良い」と。アドバイスがもっと出てこないといけないように思う。
【厚】ご指摘の通りだと思います。
【交】私は、一つの考え方として、労働災害を予防するのにどういう手法をとっているかということを参考にすべきだと思う。昔は法律で全て規定して、例えば安全装置をつけなければいけないとかやっていたのだが、実際にはそれをわざわざ外してまた事故になるということが多くて。そうすると、法律で規定するのではなくて、現場的にこの問題についてどういう対応するかというのを蓄積していくというやり方が、案外有効な方法になっているように思う。問題はかなり収集されているわけだから、その問題に対してどうしたのか。その対応の仕方をもう一度上げてもらうという蓄積がないと防止にはなかなかつながらない。いったん現場に戻したときに現場対応として何がやれるか、そのやり方を上げてもらうツールを作ってもらいたい。
【厚】おっしゃる通りだと思います。今は、ご指摘通り、収集をして現状を書いて各医療機関でそれぞれやって下さいというところです。対応方法の収集とか、対策が効果的かとかはやっていない。
【交】事故報告を義務づけているところが限られている。それぞれの設立主体が独自に対応している。一般的に市中病院というのは自治体病院レベルが多い。そうすると、厚労省が義務化している医療機関から出てきたものだけをいつまでも収集して防止策を練っても高度な医療をやっているところだけのもので一般化されない。私立病院も対象になるような自治体病院クラスの医療事故をどう収集していくかというのが、次の段階でもっと大事な医療事故防止の方策になると思う。
【厚】ええ。
【交】公立病院と同時に、済生会とか厚生年金、日赤のような準公立病院も当然入るべきだとずっと言ってきた。しかしあなた方は入れてない。何故か。
【厚】現在の収集等事業では、義務はかかっていないが任意参加はできることになっていて、任意で参加していただいている病院もある。ただそれが十分かというと十分な状況ではないという問題意識は持っている。なかなか進んでおらず申し訳ないが。
【交】今、医療事故が起こった時に、それが収集される場所を法律的には何と言っているのですか?
【厚】それは、特にないんですが。医療安全管理部門ということになるかと思うのですが、それですと、義務としてあるのは法律上は「特定機能病院」とかです。又、「患者相談窓口」というのも、「特定機能病院」や「臨床研修病院」に設置するよう位置付けられています。これは医療法施行規則九条の二十三で特定機能病院などに対して規定しています。又、平成十四年の十月七日に「特定機能病院における安全管理のための体制確保に関して」という改正の施行通知というものを出しておりまして、ここで、安全管理部門の設置や患者相談窓口の設置についての通知を出させていただいています。
【交】その安全管理部門が、ニュートラルな立場であることを担保するものとはどういうものかを聞いているんですが。
【厚】法律上の条文には明記されていないので、隠されることへの懸念はあろうかと思うのですが、医療の専門家でないと分からない事があると思う。で、そこに事務職の人がいると隠される恐れがあるので、医療の専門家がいることで、そうした事が防げるかなと思っています。ただ、安全管理者は医療従事者でなければいけないとしていますが、その医療安全推進室などにいる方は、医療従事者でなければいけないとは考えていません。現に新葛飾病院の豊田さんなどは、患者さんの立場で、従事しておられます。医療安全の場合、二つの観点があると思っています。一つは予防という観点。これは再発を防ぐには医療従事者の目が必要だということ。もう一つはリスク対策といいますか、患者さんへのケア。これは、ちょっと分けて考える必要があるのかなと思っています。最近よく言われる医療メディエーターのような方ですね。
【交】おっしゃるとおりで、医療事故では、再発予防には医療従事者の目は当然必要なんだけれども、被害を受けられた方に対するケアの部分では、それなりの教育を受けた方が必要ですが、その場合、医療メディエーターのような新しい職種を作る必要はなくて、すでに社会福祉というものを専門に学んで、戦前から医療現場に医療ソーシャルワーカーという職種が存在するんですね。その大部分は社会福祉士という国家資格も持っている。そうした職種の人に仕事をしてもらうということがむしろ必要なことだと思うのですが。
【厚】我々も、当然ソーシャルワーカーの事を考えております。突然メディエーターという風なことはありえないですから。先ほどの調整看護師のことですが、看護師さんは遺族の方に中立公平であるようにしますし、当然偏りのないようにということで研修なども考えていますし、メディエーションの業務内容も決めていきます。
【交】一概には言えないけれど、看護師さんというのは、あくまで保助看法をベースに仕事をされている。つまり医師の指示で仕事をしている。つまりどっち寄りでものを考えているのかということが、医療事故のような場合重要だと思うのです。どのような教育を受けてきているかが、現場的には出てきてしまう。だから、看護師さんが、被害者の方の訴えを聞くという場合、話を十分受け止める職種として妥当なのかどうかという問題を指摘しているわけです。あなた方は、何かというと、すぐ医療の国家資格がないと、出来ないような判断をされる。
【厚】私たちは調整役はそのようには考えていません。事務スタッフ、皆様方のような、患者さんの立場を代弁されるような方でも、調整役をやりたいということで入っていただければ出来ると考えております。
【交】そうしたら、「調整看護師」というように特定せずに、もう少し別な表現をされたらいかがですか。もう少し患者さんの立場に立っているということを表現するような。
【厚】名称は今、モデル事業としてやっているので、そのような表現になっているだけです。

医療関連死に関る第三者機関への届出について

【厚】これは、死亡直後の事案のみを対象としているわけではありませんで、ご指摘のように、過去の死亡について疑問があるといった事案についても届け出対象とするつもりです。又、医療機関側が問題はないといった判断があった場合でも、御遺族がおかしいという判断をされる場合には、調査を依頼することが出来ます。その場合は医療機関側にも調査を受ける義務がかかります。但し、御遺体がないといった場合には限界があります。従って、委員会側が常時相談できる窓口を作っておくということも必要かと思います。それを院内にポスターなどで貼っておくと。それから、届出義務がゆるいのではないかとのご指摘ですが、仮にこの制度が始まったとしても、検証というものがありまして、見直しという事があります。
【交】死亡後数年経って疑問を持たれる事例にどう対処するのかが問題なのです。最初は解剖などしたくないと思っていたのが、後になって疑問が強く出るようになったとか。それを考えると、解剖でなくAI(ご遺体をCTスキャンする)を取り入れることをもっと積極的に考えられないかと。
【厚】AIを全く否定しているわけではなくて、残すという意味で大事かと。これは基本は解剖とありますが、解剖はしたくないといった場合でも、調査はやる事になっています。
【交】この制度には死産も含まれるのですか?
【厚】死産も含まれます。
【交】医療機関側に解剖を求めても、「どうせ解剖しても分からないですよ」などと、誤魔化されたりするのではないかと心配です。
【厚】法律が施行されれば、そうした行為は「隠蔽」と捉えられます。又、そうした対応があっても、直接御遺族が届ける事が可能です。
【交】この制度が始まっても、医師法二十一条はそのままにしておくということですね。
【厚】その通りですが、但し、「委員会に届ける場合にはこの限りではない」というのが入ります。
【交】私達は、委員会に届けるなら、同時に警察にも届けるべき、と考えていて、これは平行線かもしれない。
【厚】本当に警察に届けられるべき事案までが、届けられない可能性を感じておっしゃっておられるのだと思いますが、そうした場合は、警察に告発するといった方法まで拒むものではありません。ただ、そうなってしまうと、制度自体の信頼度という問題にもなりますので、そうならないようにと思っています。
 パブリックコメントを依然求めている理由は?
【厚】一般の方からもまだ、御意見が寄せられている段階ですので。現在試案を考えてはいますが、これをこのままごり押しするといった考えはもっておりません。
【交】募集の締め切りはいつまで?
【厚】今のところ、いつまでという期限は考えておりません。又、四次試案を出すかどうかについては決まっておりません。ただ、今後の検討の中で大きく違ってしまうといった事が出てきましたら、四次試案というものも必要になってくるのかなと考えております。
【交】警察が医療機関に入る場合、警察は当然カルテを押さえると思うんです。そうすると、医療機関にはカルテがないということになりますね。そこで医療機関にもコピーして持っておくといった時間を確保できるようにする事が必要ではないかと思うんです。というのは、患者側がカルテを見たいといって医療機関に行っても、「警察にあります」ということで、警察は見せてくれませんので大変困ることになるんです。(編集者注:刑事事件で警察に押収されたカルテは、その後民事事件を提訴しようとする被害者に見せられる制度になっていません)
【厚】それは警察も認識しているところでして、現在検察庁との話し合いで、カルテ本体を警察が持っていく場合は、患者側にも見せていただくか、コピーできるようにするか、この点についてはまだ未調整です。
【交】カルテが流出しているのは常識的なことなんです。例えば、事故が起こった時に医師会関係の「医事紛争処理委員会」というのがありますね。その委員会にカルテは流れるんですね。これまでは公になっていなかったけれども、今回の奈良の町立大淀病院の事件(妊婦が脳出血を起こしたケースで救急受け入れが出来ず死亡した事件)では、産婦人科医会にそのカルテが行っているんですね。それを見た医師がインターネット上に流したんですよ。こんなことをされたら困りますので、日本医師会、日本産婦人科医会にそうしたことはしないでくださいという通達あるいは指導を、厚労省から出してくださいと申し入れたらしてくれるんですか?
【厚】そうした事の指導は、当然個人情報保護法に違反しているものと思いますから、先方がどのように対応されるかは別として、可能かと思います。
【交】それでは、御本人さんとも相談して文書でお願いするかどうかを含めて検討したいと思います。
事故の補償制度はどうなっているのか?
【厚】補償のことですが、分娩時の医療事故については、過失事例が多いということで来年一月一日から無過失制度としてスタートします。この制度の運用状況を見ながら、これを拡大できるかどうか検討していきたいと考えております。
【交】じゃ、一般疾病については今は考えていないと。
【厚】一般疾病については、今後作るかどうかも含めて検討させていただきたいという・・。
【交】ここでは細かく言いませんが、産科の補償制度は全くおかしいと思っています。そもそも、こんな制度が出来たからといって、安全にお産ができるようになったということではありませんのでね。制度の名前からして、過失があるから補償するのでね、なのに無過失補償制度なんておかしいですよ。
【厚】今、裁判になると立証責任はすべて患者さん側にあるということ。一方医療機関側では、過失がないにもかかわらず、訴訟が起こされているという事例もありまして、こうした制度が考えられたわけです。
【交】これを考えますと、医師を擁護するためにこうした制度が作られているとしか考えられません。裁判になるというのは、相当ひどいことをやっていてそれを認めないから裁判するんで、医者の言い分を認めた制度づくりですよこれは。医師が少ないから医療事故を起こすような言い方をされますが、以前厚労省で全国の医師や助産師の数と分娩数を調査した事がありました。あれを計算すると、助産師は一ヶ月に一人で受け持つのは五人くらい。医師は一人で月十一人か十二人を診るんです。この数字は一人の人が受け持つ数としては多くはないでしょ。
【厚】それは全国で見ると、そういう数字になると思うんですが、全国的には医師がまったくいないという地域もありますので。
【交】それは、地域に医師が少ないということと、医療事故が多いということとは同じではないでしょ。それと、今回の制度の支払額ですけど、いつ二千万円から三千万円に変わったの?
【厚】これはあくまで保険会社が考えた商品ですので。ただ、一時金として六百万。その後の二十年間を分割して合計で三千万円ということです。
【交】じゃ、御本人が二十歳までに亡くなっても、二十歳までは支払われるというのはどうして?これは介護が大変という意味で分割分が加算されたわけでしょ。なのに、亡くなっても二十歳までは支払うというのが良く分からない。
【厚】本来は生存曲線でいつまで支払いをするかを決めるそうなんですが、これについてデータがないということです。それで止むなくこのように決めたそうですが、これも五年後には見直すということになっています。ただ、トータルでの支払額は三千万円ですので、その内容をどう説明するかの問題になろうかと思います。
【交】過失がある事が分かった場合は?
【厚】その場合は、賠償責任保険で対応することになりますので、この制度での支払いはストップします。
【交】この保険料は誰が支払うのですか?
【厚】分娩機関が保険会社と契約して保険会社が支払います。ですから保険加入者は分娩機関です。保険料は一分娩に対して三万円です。妊婦さんがここの医療機関で分娩すると決めた時点で、医療機関と分娩者との間で契約する形になります。
【交】これに国は一銭も支払わないの?
【厚】国としては患者さんが医療機関に支払う三万円を「出産育児一時金」という形で、上乗せして支払うことになります。
【交】これは完全に私的な保険システムを使って、あたかも国の制度のように見せかけているだけじゃないの?まあ、一般の補償制度は全く考えていないということで、これを何とか検討していただきたいというのが私達のお願いです。

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
第70回厚生労働省交渉 医療事故 薬害・医療被害をなくすための厚労省交渉団/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる